翌朝、
「どうっ? 二本目の薔薇は来た?」
と受付に行くなり、静に訊かれた。
さっき緋沙子にも訊かれたのだが、静にも昨日の出来事を話す。
「弟切草……?」
沈黙する静の頭にも、昨日の自分と同じ言葉が浮かんでいたようだ。
迷信、敵意、秘密、恨み。
……恨み。
「明日香ちゃん……、なにをしたの?」
と問われる。
「意味はないのよ、きっと」
と静が慰めてくれているところに、緋沙子が現れた。
「意味はあるでしょうっ。
つまりあれよ。
こんな訳のわからない俺でもいいかってことよ」
「……違うと思います」
なんの恨みだろう。
秀人を殺した恨みか。
秋成を食べた恨みか。
……肝心なところで、拒否した恨みか。
最後のかな、と明日香は思っていた。



