王様と私のただならぬ関係

「百八本なら、プロポーズなのよ」
とまるで自分が今、受け取ったかのように静は高らかに言い出す。

「信太郎さんが百八本の青い薔薇を持ってプロポーズに来たら、私、喜んで結婚するわ」
とまで言い出した。

 いや……だから、結婚するんですよね?

 花嫁って、こんな直前まで迷ってるものなのか。

 マリッジブルーって言葉があるはずだな、と思う。

「だって、一生添い遂げるんだもの、覚悟はいるわよ」
と言う静に、緋沙子は、

「なに言ってるんですか。
 もっと軽い感じでした方がいいですよ。

 すぐ別れるかもしれないけど、とりあえず、してみよう、くらい気楽に始めた方が別れにくいって言いますよ」
と言っていた。

 それを言うなら、うちくらい気楽に始まった結婚話もなかったな、と思う。

 お前も結婚した方が楽だろう、みたいな感じだった。

 ……あのときは、まさかこんなことになるなんてな。

 一本の薔薇の意味は、ひとめぼれ。

 でも、絶対、花言葉知らないよな、あの人、と思っていた。