真美が、私のイメージだと女優の誰それだとか言い出して、若菜が、
「いやいや。
 私はタレントの――」
とそれに混ざる。

 もう一生、名乗り出られない、と固まってると、緋沙子が隣りでぼそりと言ってきた。

「まあ、女優とまではいかないかもだけど。
 そう悪くもないかもよ、葉月の彼女」

 みんなに見えない扉の陰で、こちらを見て、にやりと笑う。

 どうやら、わかっていて、面白がっていただけのようだった。

 廣田さんといい、本当にこの会社、人の悪い人が多いです……と思っていた。