王様と私のただならぬ関係

 



「今日、秀人が浮いていました……」

 社食でまた言うと、秋成は、もう勝手にしてくれ、という顔をしていた。

 秀人は真面目な顔で考え、
「名前が悪いのだろうかな……」
と呟いていた。

「明日香がひとりじゃ可哀想だから、今日、金魚じゃないのを連れていこう」
と言う秀人の前で、秋成が、

「じゃあ、俺の名前つけてみたら?
 生命力あると思うよ~」
と笑って言っていた。

 秀人は黙っていたが、その夜、透明で可愛い小さなヤマトヌマエビをたくさん連れてきた。

「秋成たち」
と言って、水槽に放ち、またお茶を飲んで去っていった。

 ……我が家に大量の廣田さんを置いて帰らないでください。

 だが、まあ、素直な人だな、と思いながら、楽しくエサをやり、眺めていたのだが、次の日、見ると、水槽の中には明日香しかいなかった。