彼女に良く似た、やんちゃな黒猫。


「俺が責任を持って飼う――――だから、また逢いに来てくれないか?」

「ええっ?!」

「俺にでも猫にでも、どっちでもいい。また逢いに来てくれ」


戸惑うシオンを無理やり頷かせた。ちょっと強引だったかもしれない。だけど俺は満足だった。




この息苦しくて堅苦しい生活に、時折彼女が風を運んでくれたらそれでいい。




今度逢うときは、シオンは俺と猫、どちらに逢いに来るのだろう。

そう思いながら彼女を見ると、少し薄汚れてはいたが白い頬に、またピンクの薔薇のような赤みがさしていた。















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