「わたし居ない方がいいと思うから、……じゃあ行くね? 」 「うん、美晴また明日ねー」 ……また明日 奈穂実は簡単に言ってくれたけれど、そんな言葉も久しぶりに言われた気がする。 傘を出て3歩ほど離れた奈穂実は、バイバイと笑顔で手を振ってきたので、わたしも傘を持っている手を揺らしてその場を離れた。 少しして背後から 「何をしているのっ? 母さんを心配させないでっ」 「ごめんなさーい」 という声が聞こえてきた。