☆ ☆ ☆

「だからって、あんなツンケンした性格に育つことないだろ?」

「お前の前では素直になれないんだろ?」

「お前の前だと可愛らしいのかよ?」

「そうだな。凄く可愛いぞ」
 
それはそれで寂しいぞ! あの頃は本当に可愛いと思っていたのに。

「消えないよ、もう二度とな」

「嘘じゃないよな?」
 
俺は苦笑しながら言う。

「もし俺が嘘をついたら殴ってくれて構わない」
 
その言葉にニヤリと笑ったレオンハルトは、拳を掲げると容赦なく言う。

「言ったな? その時が来たら思いっきり殴ってやるから安心しろ」

な、なんかやだ……。

「それで今日はこんな話をしに来たわけじゃないだろ?」
 
レオンハルトの言う通り、今日はこんな他愛のない話をしに来たんじゃない。

「俺が聞きたいことはたった一つ、道化師のことだ」
 
俺はレオンハルトに向き直って言う。

「道化師たちはなぜ、お前たちを狙ったんだ?」