ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

「ブラッドが辛い思いをしてきたのは分かります。家族の仇を打つために、道化師を追っている理由だって理解できます。でも命を捨ててまで仇を打つことを、私は納得することは出来ません!」
 
その言葉を聞いた俺はオフィーリアの手を掴みぐっと自分の顔を近づけると言う。

「お前に何が分かるんだよ……! 俺の気持ちが理解出来るだって? ……そんなの理解出来るはずがないだろ!」 
 
俺はそのままオフィーリアを腕の中に閉じ込めるように大勢を変えて顔を近づける。

「俺は……自分なんて生まれて来なければ良かったと思っている人間だ。俺が生まれて来なければ両親やセシルが死ぬことはなかったんだ!」
 
俺みたいな人間が生まれ来なければ両親やセシルが死ぬなんてことはなかった。俺が生まれて来なければ、両親とセシルは今でも幸せに暮らしていたんだ!

「こんな気持ちお前に理解出来るのか? こんな感情……幸せの中で生きて来たお前に理解出来るわけが――」
 
そのとき部屋の中を何かが叩かれる音が響き渡った。

「……っ」
 
俺は叩かれた頬をそっと指先で触れた。
 
今……叩かれたのか? ……オフィーリアに頬を?
 
そう思いながらオフィーリアに目を戻すと、彼女の瞳には怒りの感情が宿っている事に気がついた。

「私だって……自分なんて生まれて来なければ良かったって思ったことあるわよ」
 
その言葉と同時に彼女の頬に涙が伝る。そこで俺は自分が言った言葉で、どれだけオフィーリアが傷ついたのかを知った。