ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

探偵の方の依頼で迷子になっている子や、行方不明の人を探して欲しいと言う依頼が何件か入ってくる。

その時は躊躇わず依頼を受けて、なるべく早く見つけ出すために街の中を駆け回ったり、遠くへと足を運んだりすることがある。その時にこの右目を使う事が多い。
　
あとこの力を使う機会があるとしたら、レッドアイとして警察から逃げる時に使うくらいか。警察の居場所が分かれば逃げるのなんて簡単だからな。

「そしてもう一つは」
　
俺は息をゆっくりと吐いてから、オフィーリアを見つめて言う。

「魔力の等価交換だ」

「魔力の等価交換？」
　
首を傾げたオフィーリアに俺は分かるように説明を始める。

「例えばこの紅い瞳を使えば物を直せたり、傷を癒やしたりすることが出来るんだ」

「……その魔力の等価交換を使えば、人を殺すことだって出来るのよね？」

「っ！」
　
オフィーリアから思ってもいなかった言葉が出てきて俺は目を見開いた。

「一つ聞いても良い？　その紅い瞳はあなたの雫と繋がっているのよね？」

「あ、ああ……」
　
オフィーリアは胸の前で腕を組むと考え始める。その姿を見ながら俺の頬に汗が一滴流れ落ちる。

「自分の魔力を捧げる量によって、等価交換が出来る物も違ってくるのね……」
　
俺は目を細めてオフィーリアを見つめた。
　
こんな簡単に紅い瞳の能力が分かるなんて思ってもいなかった。

魔力を捧げる量によって、等価交換が出来る物も違うと言うことにも気がついた。てことは、俺がやろうとしていることも直ぐに分かるだろう。