「こ、これは……」
爆発から逃れた男は俺の姿を見つける。
「やっぱり【君なら】と思ったよ」
背後に男の気配を感じた俺はゆっくりと振り返る。左目が緑、右目は紅。
俺はたった今、誰よりも高い魔力を手に入れたんだ。
「これは素晴らしい」
男は拍手を送りながら俺に近づいてくる。そんな男を俺は鋭く睨みつけた。
「そう怖い顔をするな。今の君なら俺を殺すのは簡単なことだ。だが――」
ずっと右目を髪で隠していた男は、髪を上げると閉じていた右目を見開いた。
「っ!」
その右目の中には魔法陣が浮かんでいた。それを見た時、体を悪寒が襲った。本能的に【こいつはやばい】と思ったんだ。
「君は俺の施設を壊した。それにこのままだと君は必ず俺の邪魔をするだろう」
男は俺に手をかざす。
「だから、さようならだ。ブラッド君」
「っ!」
そうして俺は瞬間転移の魔法よって、その場から姿を消したんだ。
屋敷近くの森のなかで倒れているのをミリィたちが見つけてくれたおかげで、俺はなんとか元の生活へと戻る事が出来ている。
右目が紅い瞳へと変わった事、家族を殺された事、そして俺の唯一の願いだった【普通に生きる】と言う、望みを壊されたことを除けばだが――
爆発から逃れた男は俺の姿を見つける。
「やっぱり【君なら】と思ったよ」
背後に男の気配を感じた俺はゆっくりと振り返る。左目が緑、右目は紅。
俺はたった今、誰よりも高い魔力を手に入れたんだ。
「これは素晴らしい」
男は拍手を送りながら俺に近づいてくる。そんな男を俺は鋭く睨みつけた。
「そう怖い顔をするな。今の君なら俺を殺すのは簡単なことだ。だが――」
ずっと右目を髪で隠していた男は、髪を上げると閉じていた右目を見開いた。
「っ!」
その右目の中には魔法陣が浮かんでいた。それを見た時、体を悪寒が襲った。本能的に【こいつはやばい】と思ったんだ。
「君は俺の施設を壊した。それにこのままだと君は必ず俺の邪魔をするだろう」
男は俺に手をかざす。
「だから、さようならだ。ブラッド君」
「っ!」
そうして俺は瞬間転移の魔法よって、その場から姿を消したんだ。
屋敷近くの森のなかで倒れているのをミリィたちが見つけてくれたおかげで、俺はなんとか元の生活へと戻る事が出来ている。
右目が紅い瞳へと変わった事、家族を殺された事、そして俺の唯一の願いだった【普通に生きる】と言う、望みを壊されたことを除けばだが――



