「ちなみに私は十八だよ」

「じゃあ私と同い年なのね」
 
オフィーリアは優しい表情を浮かべるとミリィに微笑んだ。
 
え、オフィーリアって俺より年下なのか?! てっきり同じ二十歳かと……。

「オフィーリアさんは何処から来たんですか?」

「同い年なんだから呼び捨てで良いよ。ブラッドにはさっき言ったんだけど、ここから遠く離れた東の村からよ」

「ずっと一人だったんですか?」

「そうよ」
 
ちょっと待って……。俺が質問した時より素直に応えているのは気のせいなのか? 

いや、気のせいじゃないな。オフィーリアちょっと楽しそうだしミリィも楽しそうだ。やっぱり男より女の子の方が喋りやすいってのがあるのか?

それともただ単にまだ信頼されていないからか?

「ミリィ。質問はそのくらいにしろ、オフィーリアだって疲れているんだ」

「そうだった! ごめんなさい」
 
ミリィは深々と頭を下げて謝罪する。しかしオフィーリアは頭を左右に振ると言。

「こうして同い年の子と話す機会ってあまりなかったの。だからもっとたくさんお話したいと思えたから、今度ゆっくりとお話しましょう」

「は、はい!」
 
そんな二人の様子を見ていた俺も安心して苦笑を浮かべた。
 
どうやらオフィーリアにも女友達が出来たようで安心した。俺だけじゃ彼女の緊張を解すことは難しかったし、ミリィが良い刺激を与えてくれたようで良かった。

☆ ☆ ☆

「それじゃあ私はこれで帰るね。明日はレオンハルトにお見舞いに行くから朝は自分で起きてよ」

「分かった。気をつけて帰れよ」
 
ミリィを外まで見送り、姿が見えなくなったところで俺は屋敷の中に戻った。そのままオフィーリアの居る客室へと戻り、部屋の扉を締めてから彼女を見つめる。