ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

「こ、これは……」
　
オフィーリアも俺の隣に立つと目を見開く。
　
目の前にある建物は損壊し、あちこちから炎や煙が上がっている。道端には怪我を負った人たちがたくさんいる。

「爆破したのは警察本部だけじゃないのかよ……」

俺は直ぐ近くで腕を抱えて蹲っている人に声をかける。

「おい！　大丈夫か？！」
　
蹲っていた人は声をかけられて顔を上げる。

「あ、あなたは？」

「俺はブラッド。いったい何があったんだ？」
　
俺は男に治癒魔法をかけながら話を聞こうとする。

「それが……分からないんだ」

「分からない？」
　
男は体を震えさせると言う。

「突然大きな爆発音が聞こえたと思ったら……空から隕石が降ってきたんだ！」

「い、隕石が降ってきた？！」
　
直ぐ近くで俺たちの話を聞いてたオフィーリアも確認を取るように聞いてくる。

「そんなこと有り得るの？　隕石が降ってくるなんて」
　
オフィーリアの言葉に俺は頭を縦に振って言う。

「おそらくそれは、天体魔法の流星の雨(メテオレイン)だ。だが……」
　
でもそれなら他の人や俺たちだって直視出来るはずだ。俺が気づかないわけがない。
　
流星の雨を使うにはそれなりの魔力を消費する必要がある。それに一歩間違えればこの街を消すことなんて簡単に出来る。

この右目が反応しない何てことがあるのか？　いったい誰がどうやって。