「まだ話が途中だったしケーキのお礼も兼ねて、あなたの力になってあげる」

「力になるって」
 
そりゃ確かに頼もしいけど、女の子を連れて行くのは気が引ける。

「言っておくけど、私が【女の子】だからという理由は聞かないからね」

「うっ!」
 
オフィーリアはレーツェルを俺に向けると言う。

「私は……誰にも負けない」
 
オフィーリアの瞳からは強い意思が伝わってきた。
 
これじゃあどんな理由を付けても聞いてくれそうにないな。

「仕方ない。ほんとは連れて行きたくないけど」

「ブラッド……」

「ミリィ。お前は戻るんだ」

「でもっ!」
 
俺はミリィの肩の上に手を置いて言う。

「俺たちなら大丈夫だ。レオンハルトを見つけたら直ぐに戻るから」
 
最後にもう一度ミリィの頭を撫でた後、俺とオフィーリアは警察本部に向かった。

「……絶対帰って来てよ。もう何処にも行かないでよ……ブラッド」

☆ ☆ ☆

「それで本部は何処にあるの?」

「ここからだと少し遠い。だからこの魔法を使おうと思う」
 
そうオフィーリアに告げ俺は彼女の手を握る。

「なっ!」
 
驚くオフィーリアを気にする事なく、俺は頭の中で行きたい場所の景色を浮かべる。そして俺たちの体に魔力を纏わせる。