「本当のことでしょ?」

「そ、それは!」
 
確かに毎日起こしに来てくれたり朝ごはん作ってくれるけど納得いかん!

「そんなことより何かあったんでしょ?」

「そんなことって何だよ!」

「実は大変な事が起きてて!」
 
二人にガン無視され肩を深く落とす。
 
もうこんな扱い慣れっこだが、慣れている自分が悲しくなってくる。

「魔法警察の本部が爆破されたの!」

「っ!」
 
その言葉に我に返った俺は立ち上がって言う。

「それいつ起こった?!」

「ついさっきだよ。近辺に住んでいた人たちがこっちに逃げて来るのが見えて話を少し聞いたの」

「何かの襲撃か?」

「そこまでは分からない」
 
警察本部って言ったらレオンハルトが居るところじゃないか! あいつが簡単にやられる奴じゃない事は分かっているが心配だ。

「ミリィ。俺はこれから本部に向かう。お前はオフィーリアと一緒に屋敷に戻っていてくれ」

「そ、そんなの無理だよ!」
 
ミリィは俺の腕を掴むと言う。

「レオンハルトが心配なのは分かる。でも今は言う事を聞いてくれ」

「……」
 
ミリィは軽く唇を噛むと小さく頷いた。そんなミリィの髪を撫でていると。

「悪いけど私も付き添うよ」

「はあ?!」
 
オフィーリアは最後の一口だったケーキを口へと運んだ後、傍らに置いてあったレーツェルを掴むと立ち上がる。そして俺の隣を通り過ぎると言う。