「す〜……」
 
あの後すぐに寝に入った俺は、今尚こうしてぐっすりと眠る事が出来ている。
 
昨日は要らんことに魔力を消費してしまったせいか、昨日より幾分かましだが体が少し重い。
 
なので今日もミリィがお越しに来るまで寝る事にする。そう思いながら寝ていたら。

「ちょっと!」

「んん……」
 
直ぐ近くでいつものミリィと思わしき声が聞こえた。

しかしミリィの声にしては少し声音が高いような気が?

「んん……何だよミリィ? 今日はどこかに出かける予定はないだろ? もう少しだけ寝かせてくれよ」
 
掠れた声でそんなことを言いながら、俺は頭ごと布団の中に潜り込んだ。

そんな俺の姿に呆れたように溜め息を溢す声が聞こえた。
 
あれ? 

いつもだったら【馬鹿なこと言っていないで起きなさいよ!】って、俺から無理矢理布団を引き離すはずだが?

「いったい何を言っているのよ? 私はミリィなんて子じゃないんだけど?」

「っ!」
 
その声を聞いた俺は被っていた布団を取って、先程の声の主を瞳の中に映した。
 
太陽の光に照らされてキラキラと光る白銀の髪は、月明かりに照らされた時よりも一層輝いて見えて、宝石のサファイアの様に透き通って見える碧眼の瞳の中に、たった今起きたばかりの俺の姿が映って見える。

「お、オフィーリア?!」

彼女の姿を目にした俺は咄嗟に右目を閉じた。

なぜオフィーリアが俺の部屋に居るんだ?!