✭ ✭ ✭
「んっ……」
目を覚ました俺の目に飛び込んで来たのは自室の天井だった。
「俺……」
俺はどうなったんだ? たしか、レオンハルトと一緒にクラウンと戦ってそれから……。
「そうだ。クラウンの攻撃を受けて倒れたんだ……」
それを証明するかのように、俺の体には包帯が巻かれている。
「これじゃあしばらく外出は無理か」
そう呟きゆっくり体を起こすと、俺の目に翡翠色の光が目に届いた。
「ん? 何だこれ?」
こんな物もっていたか? と思いながら、首から下げられているネックレスを取る。
「これ……」
そのとき一瞬、脳裏に白銀の髪が映った。
「いっ……」
軽い頭痛が頭を走り額に手を当てる。
「なんだ? 今のは……?」
俺はネックレスを見下ろす。
「……ま、いっか」
ベッドから下りてネックレスを机の上に置き部屋の中を見回す。
「あれ? 何で部屋にベッドを二つ置いたんだっけ?」
俺一人で使っている自室ならベッドは一つで十分ははずだが?
すると下の階で屋敷の扉が開く音が聞こえた。
「ミリィか?」
目が覚めたことを知らせるため、俺は自室から出て一階へと向かった。
何か大切なことを忘れている気がする。そう思いながら──
微かに空いていた窓から風が吹き込みカーテンをなびかせる。太陽の光が翡翠石を照らした時、その宝石を優しく撫でるように一人の少女が、俺が出て行った方を見つめていた。
ヴェルト・マギーア 星の涙 Act.1 END
「んっ……」
目を覚ました俺の目に飛び込んで来たのは自室の天井だった。
「俺……」
俺はどうなったんだ? たしか、レオンハルトと一緒にクラウンと戦ってそれから……。
「そうだ。クラウンの攻撃を受けて倒れたんだ……」
それを証明するかのように、俺の体には包帯が巻かれている。
「これじゃあしばらく外出は無理か」
そう呟きゆっくり体を起こすと、俺の目に翡翠色の光が目に届いた。
「ん? 何だこれ?」
こんな物もっていたか? と思いながら、首から下げられているネックレスを取る。
「これ……」
そのとき一瞬、脳裏に白銀の髪が映った。
「いっ……」
軽い頭痛が頭を走り額に手を当てる。
「なんだ? 今のは……?」
俺はネックレスを見下ろす。
「……ま、いっか」
ベッドから下りてネックレスを机の上に置き部屋の中を見回す。
「あれ? 何で部屋にベッドを二つ置いたんだっけ?」
俺一人で使っている自室ならベッドは一つで十分ははずだが?
すると下の階で屋敷の扉が開く音が聞こえた。
「ミリィか?」
目が覚めたことを知らせるため、俺は自室から出て一階へと向かった。
何か大切なことを忘れている気がする。そう思いながら──
微かに空いていた窓から風が吹き込みカーテンをなびかせる。太陽の光が翡翠石を照らした時、その宝石を優しく撫でるように一人の少女が、俺が出て行った方を見つめていた。
ヴェルト・マギーア 星の涙 Act.1 END