「でもっ!」
 
怒りに震える体を何とか抑えつつギロリとアルファを睨みつける。

「おっと、怖い怖い。安心してください、オフィーリアさんは生きています」

「っ!」

「ただ──」
 
アルファは俺を見て笑うと言う。

「もう彼女が目を覚ますことはありませんが」

「っ!」

オフィーリアが目を覚まさない? ……どういう意味だ?!

「クラウン様の魔法によって彼女は覚めることのない夢の世界へと行っています。もう時期、星の涙は闇一色に染まり覚醒を果たします」

「覚醒だと?」

「なので僕はここで君たちを殺します。特にブラッドさんあなたをね!!」
 
そう叫んだアルファは俺たちに手をかざす。

「闇の玉!」
 
数多の闇の玉がアルファの背後に浮かび上がり、アルファの詠唱と共に闇の玉はこちらへと向かって来る。

「くっそ!」
 
俺はレオンハルトの前に立つ。

「神の力を与えられし聖なる光よ、その力の全てを解き放ち、我らを守りたまえ! 神の守り!」
 
神の守りで俺とレオンハルトの体を包み込む。俺たちに向かって来た闇の玉は神の守りに勢い良くぶつかる。

「それって確か僕の魔法を止めた防御魔法だっけ?」
 
アルファは更に闇の玉を作り出す。

「あの時は上手く防ぎきれたけど、今の君はベータとの戦闘のせいで酷く魔力を消耗している。どこまで耐えられるかな?」

「あのクソガキ……!」
 
俺は右目に巻いていたタオルを取り魔力を注ぐ。

「ブラッド! 無理をするな!」

「俺のことは良い! レオンハルトはあいつに勝つ策を考えてくれ!」

「直ぐには無理だ!」

「だったら、強行突破して直接ぶん殴ってやる!」
 
俺は右手をアルファ方へと向ける。

「反射!」
 
俺たちの目の前に鏡が現れると向かってきた闇の玉を跳ね返し始める。

「ちっ……」
 
数が多かったせいかアルファはその場から後ろへと飛ぶ。俺はその隙きに瞬間転移を使って、アルファの目の前へと飛んだ。

「なっ!?」
 
驚くアルファに向かって右手をかざす。