「あいつらと一緒にするな」

「似たようなものでしょう?」
 
アルファは冷めた目つきで俺たちを見ると言う。

「魔法教会の言いなりになっている時点で、魔法警察があいつらの犬だってことには変わりありません。どうせ今回だって、僕たちの作戦を知った上で動いているわけだし」

「お前たちがやろうとしていることは、俺たちと極一部の人間しか知らない。このことについて魔法教会は一切知らない」

「それは君が勝手に決めたことなんですか?」

「そうだ」
 
レオンハルトは嘘偽りない目をして言い切る。そんなレオンハルトの姿を見たアルファは軽く笑うと言う。

「なるほど。どうやら君は他の魔法警察の方々とは違うようですね」

「どういう意味だ?」

「別に意味なんてありません。ただ僕が知っている魔法警察とは少し違うんだと思いましたよ」
 
アルファの言葉にレオンハルトは目を細める。しかし俺にはそんなことどうでも良かった。

「アルファ! オフィーリアはどこに居るんだ!!」

「あ、そうそうさっき彼女のことを言いかけたんですよ。オフィーリアさんなら」
 
アルファはニヤリと笑い上を見上げる。それに釣られ俺たちを上を見上げた。

「なっ!」
 
そこには確かにオフィーリアの姿があった。しかし目にした光景に俺たちは驚く。
 
オフィーリアの体は下半身が壁の中に埋まっていて、両手首は上から伸びている鎖で拘束されている。そして胸元にある星の涙は不気味な光を放って輝いている。

「お前ら……オフィーリアに何をしたんだ!!」
 
俺の中で怒りの感情が膨れ上がる。アルファを今直ぐ殺したいに衝動に駆られ手をかざした。

「ブラッド!」

「止めるなレオンハルト! 俺はこいつを殺す!」

「怒りの感情に身を任せるな! 俺たちの今回の目的はオフィーリアさんを助け出すことだろ!」