「ミューズ。ナインはどこに居る?」

「地下に居ますよ。捕まえた人たちや、監禁されていた人たちに事情聴取してます」

「そうか。ちょっとお前とナインに話があるから呼んでくれないか?」

「分かりました!」
 
ミューズはレオンハルトに敬礼すると、急ぎ足でナインを呼びに向かった。

「おい、まさかあの二人にも手伝わせるなんて言わないよな?」

「そのつもりだ」

「ナインはともかく、俺はまだミューズを疑っているんだぞ! もしあいつが道化師側の人間なら、俺たちがやろうとしていることが筒抜けになる」
 
まだ見極めることが出来ていないのに、ミューズに頼むなんて……。

「そう言えばブラッドはミューズの魔法をよく知らなかったよな?」

「まあ、見る機会が中々ないからな」

「あいつの魔法を見たら疑いなんて直ぐに吹き飛ぶさ」
 
レオンハルトがここまで言い切るってことは、それなりの自信があるってことだ。いったいこれからどんなことをしようとしているんだ?

「それは俺自信が見え判断する」

「そうしろ。ほら、二人が来たぞ」
 
こっちに向かて来る二人の姿が見え俺は右目を閉じる。
 
ミューズとナインはレオンハルトの元に駆け寄ると敬礼する。

「お疲れ様です。俺たちに話ってなんですか?」

「良いか? 今から言うことに驚くな。そして断るな」

「ど、どういうことですか?」
 
おいおい、言う前から脅しかけるのかよ……。

✩ ✩ ✩

「そんな……オフィーリアさんが捕まったなんて……」

「それで道化師たちがこの街の人たちを大量虐殺すると言う、テロを行おうとしているんですね?」

「そうだ。それで二人の力を借りたいんだ」

「レオンハルトの言葉に真っ先に頷いたのはミューズだった。

「もちろんです! 是非お手伝いさせてください! ブラッドさんとオフィーリアさんには、助けてもらった恩がありますから」

「た、助かるよ。ナインはどうする?」

「どうするも何も、ここで道化師を食い止めないといけないんじゃないですか?」

「手伝ってくれるんだな?」
 
するとナインは何か思いついたのか、ニコニコしながらレオンハルトに言う。