展示会に出すなら盗まれないように警備が厳重なところに隠すか、金庫にでもしまっておくところだ。
「もし置いておくとするなら……例えばこの机の引き出しとか」
そう言いながら試しに机の引き出しを引いてみる。するとその中に真っ黒な長細いケースが置かれていた。
「なんだこれ?」
指紋が付かないように手袋をはめケースを手に取る。
「見た目はネックレスのケースに見えるが」
まさかと思いながら黒いケースを開けてみる。
すると中にはルビィの宝石がはめ込まれた金色のネックレスが入っていた。部屋には光が差し込んでいないと言うのに、ルビィの宝石は赤々と輝いている。
「もしかしてこれが?」
いや、ルビィの宝石なんてこの世界には何十個と存在している。
まさかそんなはず……。
「確かマナティの母親の形見はペンダントだったよな?」
そのペンダントにはマナティと母親が一緒に映った写真が入っているはずだ。しかしこのケースに入っているのはネックレスだ。
ネックレスを手に取り宝石の部分を観察して見る。よく見ると宝石が埋まっている側面に、何かを無理やり外した痕跡がくっきりと残されていた。
「まさか宝石だけ取ってこのネックレスにはめ直したのか?」
もしそうだとしても跡を残すとかどんだけ雑なはめ方をしたんだよ? 展示会に出すと言っていたのに、こんな扱いをして良いのか?
「これがマナティの母親が持っていたルビィの宝石……?」
この宝石の光方は何かが違う。この光はとても怪しく不気味に感じる。
「宝石から女性の声が聞こえる、か」
レギオはそう俺に言っていた。しかしこの宝石から声なんて聞こえない。
「やっぱり違うよな」
そう結論を出してネックレスをケースに戻し、引き出しの中に入れようとした時だった。
「……っ……」
「っ!」
微かに聞こえた声に目を見開きとっさに後ろを振り返った。しかしそこには誰の存在も見当たらない。
目を細めて黒いケースを見下ろす。
「まさか……」
これは守護石や英霊石のように魔力を持った宝石なのかもしれない。この宝石は持ち帰って調べるべきだ。
この宝石をじっと見ていると嫌な感じがして体に鳥肌が立つ。一度ギルに鑑定してもらって、魔力の持った宝石ならそれなりの処置をした方が良い。
「もし置いておくとするなら……例えばこの机の引き出しとか」
そう言いながら試しに机の引き出しを引いてみる。するとその中に真っ黒な長細いケースが置かれていた。
「なんだこれ?」
指紋が付かないように手袋をはめケースを手に取る。
「見た目はネックレスのケースに見えるが」
まさかと思いながら黒いケースを開けてみる。
すると中にはルビィの宝石がはめ込まれた金色のネックレスが入っていた。部屋には光が差し込んでいないと言うのに、ルビィの宝石は赤々と輝いている。
「もしかしてこれが?」
いや、ルビィの宝石なんてこの世界には何十個と存在している。
まさかそんなはず……。
「確かマナティの母親の形見はペンダントだったよな?」
そのペンダントにはマナティと母親が一緒に映った写真が入っているはずだ。しかしこのケースに入っているのはネックレスだ。
ネックレスを手に取り宝石の部分を観察して見る。よく見ると宝石が埋まっている側面に、何かを無理やり外した痕跡がくっきりと残されていた。
「まさか宝石だけ取ってこのネックレスにはめ直したのか?」
もしそうだとしても跡を残すとかどんだけ雑なはめ方をしたんだよ? 展示会に出すと言っていたのに、こんな扱いをして良いのか?
「これがマナティの母親が持っていたルビィの宝石……?」
この宝石の光方は何かが違う。この光はとても怪しく不気味に感じる。
「宝石から女性の声が聞こえる、か」
レギオはそう俺に言っていた。しかしこの宝石から声なんて聞こえない。
「やっぱり違うよな」
そう結論を出してネックレスをケースに戻し、引き出しの中に入れようとした時だった。
「……っ……」
「っ!」
微かに聞こえた声に目を見開きとっさに後ろを振り返った。しかしそこには誰の存在も見当たらない。
目を細めて黒いケースを見下ろす。
「まさか……」
これは守護石や英霊石のように魔力を持った宝石なのかもしれない。この宝石は持ち帰って調べるべきだ。
この宝石をじっと見ていると嫌な感じがして体に鳥肌が立つ。一度ギルに鑑定してもらって、魔力の持った宝石ならそれなりの処置をした方が良い。



