「ごめん。俺はずっとお前の気持ちに気づいてやれなかった」

「謝らないで! ずっと伝えないようにしていたのは私だし、それに私はこの気持を伝える資格なんてなかったから……」

「ミリィ。それは違うと思うぞ」
 
レオンハルトは私から額を離すと、真剣な眼差しで私を見てきた。

「その気持はちゃんと言うべきだ。セシルのためにも」

「レオンハルト……」

「と言っても、今聞いたばかりなんだけどな」

「……私のこと嫌いにならないの?」

「どうしてだ?」
 
私の言葉にレオンハルトは首を傾げる。

「だって……私のせいで」

「セシルが居なくなったのはミリィのせいだって、本気で俺がそう思うっていうことか?」
 
レオンハルトの問いかけに私は目を逸した。そんな私を見たレオンハルトは、軽く息を吐くと断言するように言う。

「ミリィ。俺は絶対にそんなこと思わないし絶対に言わない。だからセシルのことは、ミリィのせいじゃないよ」

「……っ」
 
ずっと怖かった。この気持を伝えてしまったらもう後戻りが出来ないと思っていた。でも今は全然怖くない。

だってレオンハルトは全部受けて止めてくれた。

「レオンハルト……私……私!」
 
あなたが好き。そう伝えようとした時、唇に温かいものが当たっている感触に襲われた。

「んっ……」
 
驚いて目を開くとレオンハルトの顔が直ぐ近くにあった。
 
これって……もしかしてキス?! 
 
レオンハルトからキスをされていることを知った私の顔から湯気が上がる。
 
えっ?! なんで?! どうして?! レオンハルトが私なんかにキスを!?

「ミリィ」
 
唇を離したレオンハルトは、まるで愛しい人を見るかのような目で私を見てきた。その表情に心臓が大きく跳ねる。

「れ、レオンハルト……今のはどういう……」
 
レオンハルトは少し照れくさそうにしながら、私の頬にそっと触れると言う。

「告白の返事なんだけど」

「えっ」
 
告白の返事? それってつまり……。