✩ ✩ ✩
屋敷に着いた俺たちはミリィを客室へと運んだ。
外はもうすっかり暗くなっていて空には星が輝いている。
「なかなか目を覚まさないな」
「そうだな……」
ミリィの体には呪術らしき魔法は掛けられていなかった。目を覚まさないとなると、ナインがミリィに何かした可能性があるが。
「ミリィの事は俺が見てるから二人は休んでくれ」
「でもお前も少しは――」
「ブラッド」
オフィーリアの手が俺の手に触れ言いかけた言葉を押し込める。
「……分かった。もう何も言わない。でも少しは寝ろよ」
「ああ」
最後にミリィの顔を見た俺たちが部屋へと戻った。
「ブラッド。ミリィは目を覚ますよね?」
ベッドに腰掛けてから彼女に微笑んで言う。
「大丈夫だ。どこも異常はなかったし明日の朝には会えるよ」
「そう、だよね」
オフィーリアは不安そうに窓の外を見つめる。まさか自分を責めているのだろうか?
「オフィーリア」
俺は優しい声音でオフィーリアの名前を呼んだ。その声に彼女はゆっくりと振り返る。そして頬を少し赤く染めて側に来ると隣に腰掛ける。
「オフィーリアのせいじゃない」
「でも……」
彼女の体を優しく抱きしめ髪を撫でる。
「気にするな。そんな気負いすると体に負担が掛かる」
「ブラッド……」
オフィーリアは俺に身を委ねるように体を預けてくる。
「最近どうだ? 星の涙の方は?」
「うん、大丈夫よ。発作も出ていないしブラッドの魔法が効いているもかもしれない」
「なら、良かった」
だが、またいつ発作が出るか分からない。これからはなるべく、オフィーリアの側に居るようにしよう。
「今日は【虹の花】に関する魔法書を借りて来たんだ」
「虹の花?」
オフィーリアは小さく首を傾げると顔を上げる。
「また色々分かったらちゃんと話すよ」
「……うん。待ってます」
そう言ってオフィーリアは優しく微笑んだ。そんな彼女の頬に触れて言う。
「必ず一緒に生きよう。オフィーリア」
「…………はい」
屋敷に着いた俺たちはミリィを客室へと運んだ。
外はもうすっかり暗くなっていて空には星が輝いている。
「なかなか目を覚まさないな」
「そうだな……」
ミリィの体には呪術らしき魔法は掛けられていなかった。目を覚まさないとなると、ナインがミリィに何かした可能性があるが。
「ミリィの事は俺が見てるから二人は休んでくれ」
「でもお前も少しは――」
「ブラッド」
オフィーリアの手が俺の手に触れ言いかけた言葉を押し込める。
「……分かった。もう何も言わない。でも少しは寝ろよ」
「ああ」
最後にミリィの顔を見た俺たちが部屋へと戻った。
「ブラッド。ミリィは目を覚ますよね?」
ベッドに腰掛けてから彼女に微笑んで言う。
「大丈夫だ。どこも異常はなかったし明日の朝には会えるよ」
「そう、だよね」
オフィーリアは不安そうに窓の外を見つめる。まさか自分を責めているのだろうか?
「オフィーリア」
俺は優しい声音でオフィーリアの名前を呼んだ。その声に彼女はゆっくりと振り返る。そして頬を少し赤く染めて側に来ると隣に腰掛ける。
「オフィーリアのせいじゃない」
「でも……」
彼女の体を優しく抱きしめ髪を撫でる。
「気にするな。そんな気負いすると体に負担が掛かる」
「ブラッド……」
オフィーリアは俺に身を委ねるように体を預けてくる。
「最近どうだ? 星の涙の方は?」
「うん、大丈夫よ。発作も出ていないしブラッドの魔法が効いているもかもしれない」
「なら、良かった」
だが、またいつ発作が出るか分からない。これからはなるべく、オフィーリアの側に居るようにしよう。
「今日は【虹の花】に関する魔法書を借りて来たんだ」
「虹の花?」
オフィーリアは小さく首を傾げると顔を上げる。
「また色々分かったらちゃんと話すよ」
「……うん。待ってます」
そう言ってオフィーリアは優しく微笑んだ。そんな彼女の頬に触れて言う。
「必ず一緒に生きよう。オフィーリア」
「…………はい」



