「ヘマタイトの宝石言葉は、生命力、秘めた思い、そして身代わり」
「身代わり?」
「ヘマタイトは持ち主を厄災から守ってくれる宝石なんですよ。持ち主に危険が迫った時、この宝石が身代わりになってくれる事があるんです」
「身代わりになってくれる……」
それなら――
「すみません、これ下さい」
「はい、ありがとうございます!」
この宝石はミリィに持っていて欲しい。ブラッドが側に居なく、俺も側に居ない時、この宝石がミリィを守ってくれるように。
「大事な幼馴染さんなんですね」
その言葉に目を見開いた俺は軽く微笑んで言う。
「そう、ですね。とても大切な子です」
「ならこの髪飾りに特別なおまじないを掛けておきます」
「おまじない?」
オーナーは魔法陣が描かれた布の上に、さっき髪飾りを置く。
「ちょっとしたおまじないなので、少しお待ちください」
胸の前で印を結んだオーナーは、小さな声でぶつぶつと何かを唱え始める。
「――っ」
聞き取ろうとしたが、声が小さすぎるせいか上手く聞き取れない。
「はいこれで終わりです」
オーナーは布袋に髪飾りを入れると俺に手渡す。
「わざわざすみません。それじゃあお金を」
「あ、お金は大丈夫ですよ」
「えっ?! でもただで貰うわけには」
「良いんです。実はこのお店閉店する予定なんです」
「そ、そうなんですか?」
オーナーは店の中を見渡す。
「閉店すると言っても、ここから少し離れた街に移動するだけなんです」
「また機会が会ったらお会いしたいですね」
俺の言葉にオーナーは苦笑すると言う。
「そうですね、機会があったら」
✩ ✩ ✩
店を出た俺はそのまま警察本部へと戻った。
「お帰りさない、レオンハルトさん」
「ああ」
「今日はギリギリで戻って来るなんて珍しいじゃないか、レオンハルト」
煙草を吹かしながら窓の外を見つめている、俺たちの先輩のルヴィナスさんがそう言う。
俺はルヴィナスさんの隣を通って自分の席に着く。
「身代わり?」
「ヘマタイトは持ち主を厄災から守ってくれる宝石なんですよ。持ち主に危険が迫った時、この宝石が身代わりになってくれる事があるんです」
「身代わりになってくれる……」
それなら――
「すみません、これ下さい」
「はい、ありがとうございます!」
この宝石はミリィに持っていて欲しい。ブラッドが側に居なく、俺も側に居ない時、この宝石がミリィを守ってくれるように。
「大事な幼馴染さんなんですね」
その言葉に目を見開いた俺は軽く微笑んで言う。
「そう、ですね。とても大切な子です」
「ならこの髪飾りに特別なおまじないを掛けておきます」
「おまじない?」
オーナーは魔法陣が描かれた布の上に、さっき髪飾りを置く。
「ちょっとしたおまじないなので、少しお待ちください」
胸の前で印を結んだオーナーは、小さな声でぶつぶつと何かを唱え始める。
「――っ」
聞き取ろうとしたが、声が小さすぎるせいか上手く聞き取れない。
「はいこれで終わりです」
オーナーは布袋に髪飾りを入れると俺に手渡す。
「わざわざすみません。それじゃあお金を」
「あ、お金は大丈夫ですよ」
「えっ?! でもただで貰うわけには」
「良いんです。実はこのお店閉店する予定なんです」
「そ、そうなんですか?」
オーナーは店の中を見渡す。
「閉店すると言っても、ここから少し離れた街に移動するだけなんです」
「また機会が会ったらお会いしたいですね」
俺の言葉にオーナーは苦笑すると言う。
「そうですね、機会があったら」
✩ ✩ ✩
店を出た俺はそのまま警察本部へと戻った。
「お帰りさない、レオンハルトさん」
「ああ」
「今日はギリギリで戻って来るなんて珍しいじゃないか、レオンハルト」
煙草を吹かしながら窓の外を見つめている、俺たちの先輩のルヴィナスさんがそう言う。
俺はルヴィナスさんの隣を通って自分の席に着く。



