ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

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それから七年が経って、俺は魔法警察になるために警察学校に通っていた。
 
あの事件のせいで、ブラッドは前の自分に戻れないと思っていた。だけどミリィのおかげで、あいつは正気を取り戻した。それに俺はホッとした。
 
そして俺はセシルを殺した奴らを探し出すために、魔法警察になる事を決めたんだ。
 
ブラッドはと言うと、前より魔力のコントロールが上手くなっていて、顔立ちも元々良い方だったせいか、街の女の子たちにモテモテだ。
 
ミリィは今魔法を習得するために魔法学校に通っている。そんな二人から離れ、俺は警察学校の寮に入った。

そして必ず見つけてみせる。セシルを殺した奴らを――
 
警察学校を首席で卒業した俺は、警察の本部がある大都市ルークスの中央区へと配属された。

そこで俺は欲しい情報を手っ取り早く手に入れるには、どうしたら良いのかを考えた。
 
そして俺は配属されてからの一年間でより多くの事件を解決して犯人を捕まえた。

それが認められ俺は魔導捜査一課へと転属になった。その一課は俺よりももっと凄い人たちが集まった集団だった。
 
ここでなら俺の欲しい情報が入って来るとそう確信していた。案の定、俺が求めていた情報は直ぐに入ってきた。
 
ブラッドを実験台として使いセシルを殺した奴らの名前は【道化師】。そこから俺は奴らを追う日々が始まった。

「なあ、レオンハルト。少しくらいこっちに帰って来たらどうだ?」

「なぜだ?」

「だってお前。ミリィにもう四年も会っていないだろ?!」

「ミリィの事はお前に任せてあるだろ?」
 
俺は久しぶりに会ったブラッドと昼食を取っていた。ブラッドの言う通り、ミリィとは四年も会っていない。それはミリィに会うための時間を作れないからだ。