ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

「改めて紹介するよオフィーリア。こいつがレオンハルトだ」

「よろしく、オフィーリアさん。あの時は助けて頂いてありがとうございました」

「い、いえ…それは全然良いんですけど」
 
オフィーリアは軽く俺を見るとレオンハルトへと目を戻す。

「その、レオンハルトはここに居ても良いのですか? ミリィからはまだ入院していると聞いていますが」

「それは見逃して欲しい」
 
レオンハルトの言葉にオフィーリアは首を傾げる。

「まだ入院していないといけないのに、こいつは勝手に退院して仕事に復帰してるんだよ」

「そ、それは駄目よ! ミリィがそんなこと知ったら怒るだけじゃすまないわよ!」

「さっき同じことをこいつから言われた」
 
いやいや! 怒ると発狂じゃレベルが違うだろ!?

「レオンハルトさ〜ん! 情報ゲットして来ました!」

「ご苦労だ、ミューズ」

「み、ミューズだって?!」
 
メモ帳を片手に掲げながらミューズはこちらに向かって走って来る。

「おいおい! ミューズもまだ入院していないと駄目だろ?!」

「あいつは俺より大した怪我を負っていない。問題ないさ」
 
いやそう言う問題じゃないだろ? もしかして魔法警察ってブラック企業の中でも、更に深いブラックな仕事なのか? それともレオンハルトがブラックなのか!?
 
ミューズは俺たちの姿に気がつくと深々と頭を下げてきた。

「こ、こんにちはブラッドさん! 前は助けて頂いてありがとうございました!」

「あ、ああ。そんな大した事はしていないさ。それに俺一人じゃ無理があったし」

「はっ! そう言えば、オフィーリアさんと言う方も助けに来てくれたと伺いました」
 
ミューズの言葉に俺とレオンハルトは一緒に彼女に目を向けた。

「な、なに?」
 
それに気がついたミューズは瞳を輝かせてオフィーリアに近づく。

「もしかしてあなたがオフィーリアさんですか?!」

「えっ?! そ、そうですけど」
 
ミューズはまた深く頭を下げると言う。