「待って!!!!」
慌てて追いかけるが、声を聞いて振り返った青年は待つどころか更にスピードを上げて逃げて行く。
「追いかけっこなら負けないんだから!」
その後ろ姿になお燃えたニカは、地の利を活かしながらその距離を縮めようと全力で追いかけていった。
「いつまでついてくるの…」
動物たちの住む森を抜け、町の中へと走ったレゼは未だに追いかけてくるニカを後ろに息を切らしていた。
屋台が並ぶ中心街を通り抜け、人の住む住宅街へと突入したせいで、人が少なくなり益々逃げづらくなってきていた。
さらにはニカとの距離は最初の頃よりかなり縮まっており、それがレゼをより焦らせる。
急いでいる時ほど焦りは禁物で、レゼはついに行き止まりへと逃げ込んでしまった。
「そんな全力で逃げなくてもいいじゃない!」
軽く息を切らしながらも、レゼを追い詰め仁王立ちで佇むニカ。
じりじりとレゼに近寄ると、ギュッとレゼの両手を握った。


