【完】僕達のレンアイ事情

「どうしたの?」


「あそこのカフェ見てみ」



俺はカフェを指さす。



「カフェ…?」



やしなが俺の言葉に窓の外に目を向ける。



「え?丈?」


「あぁ。さっき電話したときの背景でここにいるって分かってさ」


「だれなの?あの人」



やしなの質問になんて答えたらいいのか一瞬戸惑う。
あそこに連れてった俺にも原因があるし。



「ごめん」



とりあえずやしなに謝る。



「え?なんで神谷くんが?」


「先月末にさ、祐希が俺と丈を合コンに連れてったんだ」


「合コン…」


「そこにあの子がいて。丈のこと気に入ってたみたいなんだけど、まさかこうして会ってるのは今日まで知らなてさ」



なんであの時、丈を連れてくことに賛成してしまったのだろうか。
連れていかなければ、千夏ちゃんと丈が出会うこともなかったのに。



「神谷くんのせいなんかじゃないでしょ」


「え?」


「こうして会ってるのは丈の意思でしょ」