黒桜~サヨナラの前に~




今はそれどころじゃ無い。



「陸、白、行くよ。」



「ハイハイ。」



二人は最初から分かっていたのかすぐにトランプを置いて、鞄を持ち立ち上がる。



「どこ行くんだ?」



「帰る。」



「なん……」



「用事ができた。」



質問されてる途中で答えを言い、幹部室を飛び出た。



なんか後ろで言われてるけど、気にしない。



下っ端君達を掻き分けて、倉庫の外に出る。



倉庫の横に停めておいたバイクに鍵を差し込みバイクに飛び乗る。



そして、家に向かった。



あたしは自分だけを傷つけられるなら別に怒らない。またか、って思うだけ。



でも、仲間を傷つけるようならただじゃおかない。



家の前にバイクを置いて、家の中に入る。



中は真っ暗で、まだ誰も帰ってきていないみたい。