外に出ていた3人に手を降った後、大きめの音を出して発進する。



そこから何分かした後、もう少しで学校に着くって所だった。



アイツを見てしまったのは。


「っ…………!!?」


反対側の歩道に立っている。


急ブレーキをしてアイツの方を見る。大きく大きく目を見開く。



この真夏の暑い日に黒い長めのパーカ。フードを目深に被っている。



かろうじて見えている口はあたしの方を向きながら綺麗な弧を描いている。



ソイツを見たままあたしは少しも動けなかった。いや、体が動かなかった。



冷や汗が体全体を伝う。



アイツの口が動く。遠くて聞こえなかったけど、口の動きで分かった。



『お前は逃げられない。』



その言葉が余計にあたしを苦しめた。