「ね、ねぇ、みんなぁ!どうしてあの子のこと話したりするのぉ。……瑠璃南はやだよぉ……!」



今にも泣き出しそうな顔で俺らに訴えてくる瑠璃南はアイツに苛められていた。


だからなおさらこの話を嫌う。



「そ、そうだよな!ゴメンな。もう話したりしねぇから!」



「ほんと?……ありがとぉ~!」



また笑顔を向けてくれて、孝は安堵したようにホッと息をつく。



そして、また皆で他愛のない話をしだす。



俺も話に参加するけど、本当は頭の中はアイツのことでいっぱいだ。



アイツとさっき会ったとき、またあのときの気持ちが沸き上がってきた。



付き合っていた頃の気持ち。アイツが裏切ってから自然と消滅した関係。


ダメだな。俺はまだアイツのことを思ってる。



アイツは、俺らを裏切ったのに……。何で忘れられねぇんだよっ!



「洋……?どーしたのぉ?」


俺のようすがおかしかったのか、瑠璃南が顔を覗きこんでくる。