悪い気はしないけど。



「……またかよ。ルルは毎年早く泣きすぎなんだよ。」



ルルは毎年毎年、いつも一番最初に泣く。



まだ着いても居ないのに……。



「だってぇ……」



泣いているルルを来美が笑いながら慰めていた。



本来なら来美だって泣きたいはずだ。



それは勿論、陸も白也も同じはず。



俺らよりもずっと側にいて、大切にし合っていたから。



この日は凄く悲しいはずだ。



「ほら、ルル。久しぶりに会う舞娜に最初から涙は見せられないでしょ?」



もう少しで舞娜の墓につく。



来美はそう言ってルルの手を握った。



「そうだね……!」



涙を拭い、前を見るルルの目には舞娜の墓が写っていた。