まぁ、でもまた二人が仲良くなれて良かった。



「あ~あ。海に取られちゃった。」



楓が俺の近くで呟く。



「そういえば……楓と来美って付き合ってるんだったな。」



「うん。もうすぐで三年たつよ。」



来美を見ながら柔らかく笑う楓は、心底幸せそうだ。



見ているこっちまで幸せな気分になってくる。



「……来美の事幸せにしろよ。」



「前にも聞いたから。」



陸はいつも楓にそう言う。



楓はもはや呆れている。



それだけ陸にとって来美は大切なんだろ。舞娜の事も見ていて分かるぐらいに大切にしてたからな。



「連さん、ルルさんがまた泣いてる。」



白也が側に来て、困ったように訴えかけてきた。



二年前に高校を卒業した白也は俺らの事をさん付けで呼ぶ。