「まぁ、良いや。また次宜しく。」
「……おう。」
ニッコリ笑うコイツに返事をした後、椅子に座り、仕事を始める。
今日はいつもよりも早く上がるから、なるべく早く仕事を進めなきゃいけない。
毎年、そうなんだけどな。
仕事をハイペースで進め、午後の二時に誰よりも早く仕事をあがる。
「榊原、お疲れ。」
「……おう。午後も頑張れよ。」
「当たり前。」
二人で言葉を交わした後、急いで会社を出る。
「……いつもの場所だよな。……間に合うか?」
腕時計を確認して、走り出す。
毎年、舞娜の命日の日は皆で集まって墓参りに行くから、同じ場所で待ち合わせをしている。
電車を乗り継いで、着いたのは豊かな自然と家が何件かあるところ。


