「えっ!?嘘!駅の近く?」


「そうだよ。詩織は駅から離れてる方?南公園のほうとか?」


「そうだよ!あっ、じゃあ、一緒に帰ろ。」


恥ずかしくて、下を向きながら言うと蒼瀬は笑って手を引いてくれた。


帰り道、綺麗な夕日が見えた。


私たちの後ろには手を繋いだ影が出来て、思わず写真を撮った。


「ん?何の写真?」


「ん?後で送るよ。」


写真の中の私達は大きな左手と少し小さな右手が仲良く繋がれていた。


出会ってまだ少ししか経っていないけど、私は蒼瀬と過ごす時間が楽しいと思い始めていた。