◇


 じきに六月が終わる。
 何とも充実した日を送っていて、信じられないくらいに幸せ。


 今日は土曜日で、いつもより人が多い。
 休みを利用してデートしているみたいだ。カップルが多くて、幸せを貰っているみたい。


 瞬くんは相変わらず、自分の仕事以外には興味がないみたい。真面目だから夏彦さんも注意のしようがないんだと思う。けど、混んでいてもいつも通りというのも困った。


 でも、その日は少し違う。ちょうどお昼すぎ。
 ランチタイムを求めてきたお客さんも落ち着きつつある頃。


 あと一時間もすれば三時で、わたしの仕事が終わる。もしかしたら土曜日ということもあって、遅番のスタッフに会えるかもしれないと楽しみにしていた。



「瞬くんって休みいつなの?」

「僕はだいたい平日ですよ」



 そんな会話が聞こえてきた。お客さんと楽しそうに話すのがあまりにも意外で、雑貨コーナーから覗いてしまった。


 ちょうど真下にいて話が丸聞こえだ。