私の声が、櫻ちゃんに届くことはないけど。


櫻ちゃんなら、聞こえてるかな。




「俺、頑張るから」

『うん』


「医者になって、いっぱい人を助けんの」

『うん』



「恋文のことを想って、幸せになれるんだよ」



『櫻ちゃん………』




「大好きだ」

そうふわりと笑って立ち上がる君。