保冷材は頬に当てるとひんやりして気持ちいい。 「親父さんを追いかけて、と言いたいところだが、先に茜に見てもらいたいものがあるんだ」 「え?」 「たぶん見てもらった方が親父さんの気持ちが伝わると思う」 崇さんは上を指差した。 2階だ。 2階に何があるのか。 お父さんを傷つけたことはわかっているけど、 正直なところ、お父さんが私をどう思っているのか、よくわからないままだ。 私は腰を上げた。 「崇さん、教えてください」