「もー、それなら撮るって言えばいいのに!」 「言ったら記念撮影させてくれるのか?」 「させませんけどね」 「なんだよ、それ」 ははは、と崇さんが笑う。 それを横目に見ながら、ツリーに目を戻した。 クリスマスは好きじゃない。 その気持ちは変わりない。 記念撮影だってしたいとは思わない。 でも、綺麗なものは綺麗なんだ。 私は記憶に焼き付けるようにツリーを眺めた。