私は崇さんを追いかけ、腕を引っ張った。 コートを着ているとはいえ、その下は制服だ。 どこに行くのか知らないけど、このままだと悪目立ちするかもしれない。 何より、崇さんだと移動はバイクだよね。 「バイクにスカートは困るし」と言うと、崇さんは振り返って、ニヤッと笑った。 「じゃ、待ってるから」 「う、うん」 なし崩しで了承してしまったことに気づき、愕然とする。 してやられた気分で悔しい。