「お父さん……?」 うつ伏せで倒れている姿を見ても、私はすぐに動けなかった。 何が起こったのか。 頭から血の気が引いていく。 体が冷える。 騒がしいはずの周りの音が遠のく。 世界が凍り付いたかのように静かだった。 自分の鼓動の音がやけに大きく耳に届く。 お父さんの元へ戻らなければ。 それはわかっているはずなのに、まるで足が麻痺してしまったかのように動かない。 頭と体がうまく機能しない。 「お父さん」