「それは俺も同じだよ。だから俺たちがやることは原因究明じゃない。その元凶かもしれない紗久を守ることだ」
意志の強さは悠も同じ。
俺の言葉を聞いて悠が言葉を並べる。
「俺たちのように違和感に気づいている奴だっているはずだ。違和感に気づいている奴は必ず元凶かもしれない、紗久によくも悪くも接触を図り、影響を及ぼす。その悪い影響から紗久を守る」
「あぁ」
悠の真剣な言葉に静かに頷く。
もう二度とその手を離しはしない。
だから紗久はどうか何も知らずに幸せの中で笑っていて。
普通の、英雄になる前の君のように。