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「お疲れ、紗久。やっぱり僕の見立て通りだった。よかったよ」
次の宣伝場所を求めて歩く私とクラスメイトたちの中から。
ノエルが満足そうに優しく私に笑いかける。
私たち高等部1年の学園祭の出し物は迷路と魔法を融合させた不思議の国のアリスをモチーフにしたものだった。
大型迷路のあちらこちらにいる不思議の国のアリスの登場人物に扮した高等部1年の生徒から出される試練を乗り越えてゴールを目指す、というものだ。
もちろんこれの総合プロデュースは我がクラスの学級委員長、ノエル。
試練を出す役はろくに魔法が使えない私には無理なので、裏役をやろうと思っていたのだが、ノエルが
『紗久は絶対宣伝係だっ!!そしてアリス役だっ!!』
と声高々に宣言し、一切譲る気がなかったようなので今の私がいる。
ノエル曰く私なら宣伝効果は抜群なんだとか。
まぁ、一応最強の魔法使いなんて呼ばれているからそこにいるだけでも目立ちますし、適役だとは思うんですけどね。