「………だよね。健康バカだし」






「あぁ」







先ほどまで心配そうに私を見ていたはずの2人なのに。




何故か今はバカにしたような瞳で見ている。







…………玲桜に至ってはかなり弱っていたように見えたのに。







「だーれーがぁー健康バカだってぇ……?そんなバカを見るような目で見るなっ!!!」






「しょうがないじゃん。だってバカを見てるんだから」







怒りに任せて叫べば悠がバカにしたようにさらに笑う。







「紗久はバカだよ。人のために魔力使いすぎて倒れるとかバカ以外の何物でもないよ」






コツンッ







いつの間にかこちらまで来ていた悠がその笑顔を崩さないまま私のおでこに小さく拳を入れる。








「お人好しで健康バカに制裁」







こんなものが制裁なのだろうか。




玲桜と同じようにその拳は痛くもなんともなく、ただただそこから私への愛しさが溢れているように伝わってくる。