「やっやっぱり離れなさいっ」






「嫌だ」








ぐーっと玲桜の胸を押して離れるようと試みるも玲桜は一切動かない。







バカ力めっ!!!








「えーっとお取り込み中悪いんだけど」







玲桜の腕の中で暴れる私とそんな私を涼しい顔で閉じ込めている玲桜に聞き慣れた軽い声がおかしそうに話しかけてくる。








「もうすぐ百花のパレードだから準備に行くよ?紗久、玲桜」







私たちに話しかけた人物、悠はそう言って扉の前でにこやかな笑顔を浮かべて立っていた。








「チッ、わかった」







不機嫌そうに舌打ちをしながら悠に返事をし、玲桜が私から名残惜しそうに離れていく。







た、助かった………。








「紗久、今目ぇ覚めたの?体は大丈夫?体調のことも考えて本当はここで休んでいて貰いたんだけど……紗久は一応最強の魔法使いだし、理事長たちが……」






「あ、うん。大丈夫。ありがとう、悠。もうピンピンしてるから」







悠が心配そうに私を見つめるが、そんな言葉とは裏腹に私は元気に笑って見せ、ベッドから降りる。