side玖音 さようなら、偽りの世界。 「……」 俺の腕の中で消えてしまった紗久のいた場所を見つめる。 俺ももうすぐこの世界から紗久と同じように消える。 次に目覚めるのはいつなのだろう。 もしかしたらもう一生目覚めないかもしれない。 紗久は目覚めることを諦めないっと言っていたけれど俺は紗久のいない世界のために目覚める気なんてさらさらなかった。 紗久が目覚めて生きてくれていたら別だけど。