「「…………」」
そして見事にセリフが被った2人は私越しに驚いたように目を見開き、黙ったまま見つめ合った。
「ふっ、あははははっ」
初めに耐えきれなくなり、笑い出したのは悠。
「え、何これ、俺たち考えていること一緒だった訳?怜桜も手握ってたの?セリフ被るとか恥ずかしいんだけど」
「うるせぇ」
肩で我慢しきれないように笑う悠に怜桜も珍しくおかしそうに笑う。
「紗久を困らせているのは俺だと思ってたけど、俺だけじゃなかったんだね」
「あぁ」
幸せそうに2人が私を挟んで笑っている。
手を握られていることは恥ずかしいけど。
この空間で一緒にいられることはとても楽しく、幸せに感じた。
怜桜も悠も私を大切にしてくれていて、異性として想ってくれていて、この2人も私が目覚めなくなった世界でどんな思いをして生きていたんだろう。



