「このシステムの完成には魔法が絶対に不可欠や。あの魔法が失われた世界でこのシステムを完成させるのは100%不可能に近い……」






ごろうちゃんを見つめながら疑問を口にする。






わからん。



ちっとも、わからん。





玖音先輩はどうやってこのシステムを完成させたんや?







コンコンッ






「学、いるんでしょ?入るよ」






ガチャッ






扉の向こうから聞き慣れた声が聞こえたと思うと俺の返事を待たずに扉がゆっくりと開かれる。







「何の用や、大和……と、玖音先輩も、か」






大和だけだと思い扉の方を見るとそこには悩みの根源、玖音先輩もいた。






「『体験型すごろくごろうちゃん』の回収に来た。他人の意識を自由に取り込めることは危ないと会長判断でね」





俺の疑問に答えるなり、ツカツカと俺の前……いや、ごろうちゃんの前までやってくる大和。





狙いはごろうちゃんか。