「僕に一切触れず、ただ純粋に魔法の力のみでこの木から降ろしてください」
チェシャ猫こと珠樹からの試練。
求められるのは腕力でも知力でもない。
ただ純粋な魔法使いとしての技量のみ。
百花と魔法で力比べとか一般生徒ならここでリタイアが妥当だろう。
………そうならないように魔法のみを使えという試練は作られてないはずなんだけど。
「何だよ、俺と力比べすんのか?」
「ええ。そーですよ?翼先輩」
互いが互いに不敵な笑みを浮かべて見つめ合う。
もちろん目は笑ってないし、2人の間には青白い火花が見える。
おいおいおいおい。
こんな所で魔法戦争とか起こさないでくれよ。



