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不機嫌な友江と別れた後、次に遭遇したのはチェシャ猫に扮したこの人だった。
「わーお。翼先輩に紗久とか何この組み合わせ。楽しそっ」
木の上にちょこんっと座り、可愛らしく楽しそうに笑うのは珠樹ータマキー。
あぁ、ついにここへ来てしまったか。
珠樹は学園随一の戦闘好き。
試練と称して強い翼先輩と戦闘を始めてもおかしくない。
「珠樹?ちゃんと試練出してよ?」
「何言ってるの?当たり前でしょ?一応学園祭何だから。光よ、他の者を貫く刃となれ」
シュンッ
まずは先手必勝ということで注意をした私だが、珠樹はおかしそうに笑い私の言うことなんて無視。
言ってるそばから魔法を私に向けて来た。
「っ」
体勢を崩しながらも何とかその刃の魔法を避ける。