無駄にアタシのことを警戒していた。





あれはアタシが紗久を泣かしたからというよりも、紗久から意識を奪うくらいだ、聞かせたくない話があったのだろう。








その話はやはりこの世界のことなのか?









「その話についてだが、1人、面白い説の話をする奴がいてな……」







「ちょ、待ってくださいよ〜。それじゃあ、俺が都市伝説みたいな、夢物語を言ってるみたいですやん」








ボスの後ろから聞き覚えのある呆れた声と共に人影が現れる。





薄暗くて気づかなかった。







何故、彼がここに?









「俺が言ってることは確実にほんまのことですからね」








アタシの目の前に現れたのはヘラヘラと笑う学だった。








「お前の言っていることは夢物語に等しい、非現実的すぎる話だからな。ま、本当のことなら辻褄が合う訳だが」






「夢物語も何もほんまのことですよ?数年前まで魔法使いが魔法で何でも出来ていた世界に生きてたのに、何言ってはりますの」








驚くアタシのこと何てそっちのけで2人の話が進んでいく。